niszetの日記

細かい情報を載せていくブログ

GreenPak勝手に勉強会に行ってきた話

都内某所にて開催。

そんなわけで行ってきました。完全にノー予習で行ったものの、GUIでポチポチやって接続が出来、ブレボさえあればLチカまでは結構簡単に出来るな、という印象でした。

しかし、各マクロセルがどんな機能と仕様なのかを把握しないでGUI上でポチポチやってると変なエラー/ワーニングが出てきて???となるので、全体が俯瞰できるものを見てから始めるとよさそうだなと思いました。今度の技術書典で売り子をしてくださるKY技研のK4ZUKIさんが書いているGreenPAK勝⼿にアプリケーションノートを読むとよいかもしれません(宣伝)

あと、GreenPakCookbookというのもあるらしいですね。

www.dialog-semiconductor.com

ESDの話

さて、私はLチカが出来て満足したので書くことがあまりないのですが、目についたのがESDと温度センサ機能だったのでESDの話をします。 使ったのはSLG46826Vってやつですが、これのデータシートのTable 2: Absolute Maximum Ratingsを見てみると、ESDがHBMは2000Vに対してCDMが1300Vとかなり高めになっていて気になりました。

www.dialog-semiconductor.com

以下は私の勝手な想像なので、聞き流してもらえれば良いですが、

ESDについてはHBMやMM、CDMそれぞれ試験方法が規格で定められています。HBMやMMは印加する電荷量が決まっているのに対して、CDMの場合はデバイス自身の容量で電荷量が変わってきます。パッケージは20-pin STQFNとか書いてあるのでかなり小さい部類かなぁと。

参考:OKIエンジニアリング ESD試験 https://www.oeg.co.jp/esd/ESD.html#esd

そのため、パッケージサイズの小さいデバイス電荷量が小さくなるので有利です。また、このチップの電源電圧が5Vなので、0.35umくらいの世代なのかな(本当?)と。であればゲート酸化膜が厚く、定性的にはESDに強いことになります。HBMが2kVになっているのは2kV持てば十分でしょうということで実力はもっとあるのかもしれないし、CDMのそれとは違う破壊モードなので実力がそうなのかもしれません。これは実際に印加してみないとわかりませんね(しないけど

まぁそういうわけで、先端のプロセスを使ったチップなどではCDM250Vとかなのに対して文字通りけた違いの耐圧になってるんだろうなーと思った次第です。違ったら教えてください。

温度特性

データシートの3.7 ANALOG TEMPERATURE SENSOR CHARACTERISTICSを見てみると、-40℃から90℃にかけて300mVから360mV程度電圧が落ちていく特性のようです。 これは1℃あたりで2.3から2.8mV変化するということですね。回路図は17 Analog Temperature Sensorに書かれているように、バイポーラ端の電圧をみているようです。

BGRについては以下の記事が参考になりそうです。それかRazaviの下巻とか読んでみればよいです。

eetimes.jp

eetimes.jp

第34回の記事の方には「一般にVfの温度特性は、およそ-2mV/℃です。」とあり、それっぽい値ですね。

ということで、温度センサとして使う場合は結構な温度変化がないと検出は難しそうですね。回路仕様的には出来なくはないことはわかったので、ドライヤーとかあれば試せるでしょう。ドライヤーあてたりコールドスプレー使ったりするのはなんか不具合解析っぽくて嫌ですが…。

段々何の記事かわからなくなったのでこの辺で。

GreenPak自体は今後触っていけるといいなぁ…と思います。

追記

CDMの件で1点書き忘れた。パッケージレベルの話は上に書いた通りなんですが、よくよく考えるとコレはボードに実装されているのですよね。その場合、ボードに溜まる電荷に対して耐圧があるかどうか?という考え方をしないといけませんね。もちろん、ボード上で対策(具体的には保護素子が置かれているなど)されていれば、チップ単体としてはパッケージングされたところまでを考えればよいのですが。

このDSに書かれているのはどっちなんだろ。読めばいいんだけど…まぁ1300Vも帯電させられない(というよりは個人では測りようもない…)から気にしなくていいか…